低フリクションボールねじ「MT-Frix」は、NSKの解析技術で溝の接触状態を高精度に解明して内部仕様を最適化し、寸法はそのままに、剛性を維持しながら動摩擦トルクを低減。
これにより、大幅な低発熱化を実現し、工作機械の高い位置決め精度を維持すると共に、動摩擦トルクによるCO₂排出量を従来比で最大50%削減しました。
NSKの解析技術を用いることで、ボールと溝の接触状態を解明し、最適な内部仕様を開発
ボールねじは、駆動時に動摩擦トルクによって発熱し、ねじ軸が熱膨張することで、位置決め精度が低下します。
発熱による精度低下を防ぐために強制冷却(発生した熱を付属装置等で冷却)を用いる場合がありますが、冷却装置等の稼働に伴い余分な消費エネルギーが発生します。そのため、高精度化と省エネルギー化の両方を実現するためには、動摩擦トルクそのものを低減することが必要です。
しかし従来の技術では、動摩擦トルクを低減すると、それに伴い剛性も低下しナットが変位しやすくなるため、加工精度が低下する、という課題が発生していました。
そのため、剛性は維持したまま、動摩擦トルクを低減する技術が求められています。
ボールねじの寸法はそのままに、剛性を維持しながら動摩擦トルクを低減
低フリクションボールねじ「MT-Frix」は、剛性は従来同等としながら、動摩擦トルクを従来比最大50%低減、動摩擦トルクによるCO₂排出量も最大50%削減しました。
また、動摩擦トルクの低減によりボールねじ駆動時の発熱を従来比最大40%低減し、発熱の低減により軸の伸び量を最大40%低減。位置決め精度の低下も軽減しています。